かくれが

とあるスマオタの備忘録

TEAM NACS 第15回公演「悪童」

7/15 大阪初日。おもしろかった!! 好きだとか、胸を打たれたとか、そーゆーんじゃなくて、すごいはっきり「おもしろかった!」っていう、おもしろかった。嬉しい。お芝居観るのって楽しい!! あと、安田さんお美しい! かっこいい! このひとの芝居好き!!!!! ナックスよりも、っていうか、この世のだいたいすべてのことより、安田顕が大事になる瞬間ってのがときどきありまして(笑)、その安田さんの久々の舞台はほんとほんと楽しかった。安田さんの芝居が好きだ。そして TEAM NACS の芝居が好きだ。やっと、好きだと言っていい気がする、三度目の本公演です。前回の WARRIOR のころはまだ、「観劇が趣味ではあるけど、特定の劇団のファンというわけではない私が、はじめて熱烈に好きになれるかもしれない劇団」って書いてるので、3年経って「いやまあ好きなんだろうよwww」くらいにはなったっていうか(笑)。

以下、ざっくりと感想。ネタバレに配慮してないけど、これ読んだら内容がわかるというものでもない。
ストレートな感想は、繰り返しになりますが、おもしろかった! ってのと、どきどきした!! ってのと。前半特にどう転がるかわかんないので、心理的負荷大きくて、どきどきしたなー。楽しかった。まあ、わたし、おもしろいとか楽しいのハードル低いんですが(笑)。

今回の一番の売りはやっぱ外部の作演出なのかなーと思いますが、脚本演出が外部って、わたしにはそんなに違和感なくて当たり前だなって。特にめっちゃ好きな劇団あるわけじゃない、なんでも観る人なので。つか、そもそも、にわかのわたしはまだ、森崎脚本演出の芝居、本公演では観たことないし。それ以外でも、「LOOSER6」しか観ていない。演出のみで「WARRIOR」、本公演以外では*pnish* の「ウエスタンモード」って感じ。本公演じゃなくていいので、森崎さんがつくるお芝居もっと観たいなーって思うんですけど、まあそれは別の話。

すっごく古沢脚本だった! って言えるほど、わたしそんなにたくさんは観てなくて、つーか映画はともかく、連続ドラマには若干の苦手感ある(おもしろいとは思うが、なんか合わない……怒ってない否定してない非難してない嫌ってない、たぶん合わせ方がわからないんだと思う)んですけど、「キサラギ」なんかは楽しかったし、悪童あるしと思って3月に観た「趣味の部屋」の再演もすごいおもしろかったし、つまりキサラギとか趣味の部屋みたいなやつだった。楽しい。「キサラギみたいなのをナックスで観てみたい」って思ったひとって、わりといるんじゃないかなー。一緒に観たともだちも、そういう意見ネットで見かけたことあるって言ってた。

そして、マギーさんの演出で、こんなにジョビジョバ感じたの、はじめてかもしれない。ジョビジョバも言うほどは観てないんですが、今のマギーさんとジョビジョバがあんまり直結しないでいたんだけど、去年あたりからやっぱあのマギーさんなんだなあって思うこと多いとこにきて、悪童がこうだったので、なにやら高まる。去年の再結成U-1取れなかったの、悔しいなあ。最近は、生で観てない芝居の映像を観ることすごい少ないんですが、あれはDVDだけでも観ようかしら。演出自体以外含め、なんかもう常に、マギーさんありがとう! って思ってるとこある。なんか、こう、ナックスの置かれてる状況とか、ファンの気持ちとか、うまく説明できないもろもろを、全部わかってくれてるんだろうな、という信頼感。

前半に要素が出揃って、ある時から展開の予想がつく気持ちよさ、楽しかったなあ。察せられるように組み立ててあるのすごいな。あれやっぱ結論に必要な要素を、遡って前半にばらまくのかなー。100%納得した! とはいかないんですけども。「いじめられてるとん平なんて最初からいなかったんだ!」ってオチが許されるところが、チームナックスってすごいな、と思う。客の論理的思考、倫理観、感情、その他、ひっかかったら、もやっとして終わるよなあ。けっこう無理があると思うんですよ。チャックははっきりといじめてるという意識あったし、無意識だろうとゴミクズはひどすぎるし、遊ぶ金せしめるのは合意があってもだめだ。とん平がそれで納得してたからって、こっちにはもんやりしたもん残る……んだけど、まあそこそこ丸め込んでくれてると思うし、これがナックスって劇団のカラーなのかなあ、と。過去作も含め、日和ってるっちゃー日和ってるんだけど、ハピエンで気持よく終わって帰れる舞台。わたしの文章がヘタで、なんかぜんぜん褒めてるように読めない気がするんですけど、別に非難してない。ちょい関係ない話をはさみますが、ぜんっぜん方向性とか違うけど、世代は十年違えど人生の節目(というかどん詰まり)に、幼なじみで集まって、過去の罪の清算すんの、去年観た「愛の歌を唄おう」もそうだったんですよね。あれも、清算しきれてないぬるいオチなのに、歌でまるめこまれた感じ。それが歌の、ミュージカルという演出の強さだと思うんですけど、別の武器でそれやってるんだと思うと、ほんとすごい。ナックスぽさとしては、メインビジュアルと同じように笑いあって終わるのが、下荒井でフライヤーと同じ構図の写真を撮って終わってるのと同じだったり、スマスマというかテレビで卓球見せておいて卓球だとか、いろいろあるなー。卓球、偶然みたいな気もしますが(笑)。

外部脚本ってことでの特色って、「あて書きではないキャラ付け」のほうが、大きいのかなあ。それぞれに、近年のお仕事の印象を連れてきた配役で、妥当だと思うんですけど、大泉さんがあんま見たことない役で、もうめっちゃ楽しい。安田さんが最近よく「振り幅の大きい役者」みたいな言われ方するのの逆で、大泉さんがいちばん振れない、振れちゃいけない、みんなが思う大泉洋を求められる役者さんだと思うので、自分の劇団でこそ、外ではできないこういうのやってくれるの、嬉しい。観終わって、数日経ってからやっと気づいたけど、あて書きじゃないので、もじゃもじゃだとか、顔がでかいとか、そーゆーネタ挟まれてないんだけども、十分に五人五様だ。安田さんが、あんま力んでないのがいいなあ。あのひとなぜかナックスではあんま上手くない と、わたしには見えてたんだけど、悪童の安田さんは、安田さん分うまいなあ。こんなんゆーといてあれだが、わたしは役者さんを、上手い上手くないの軸で話すの、好きでないw どっちかというと頭悪く、安田さんちょうきれい! ちょうかっこいい! すき!!! って言ってたい。すんごいかっこいいよう。そういや、舞台でビジュアル的に普通の役やってるの、久しぶりだよう。最近、女装で痩せてらっしゃったので、素では老け感増してたけども、通常の体重に戻ったのか、やだーぜんぜん若いかっこいい! いや、痩せててもかっこいいけど!! またこの名実ともにかっこいい役、ほんとほんと楽しい。んで、やっぱちょっと弱いとこある感じ、お似合いだなあ。

昭和生まれベッドタウン育ちのわたしは、こどものころああいう複合レジャー施設あったけど、最近あんなの無いし、なんかそういう道具立てを含め、作り手も演じ手もアラフォーの舞台なんだなあ。たぶん。そういう感じ。わたしは三十代なので、なんとなくはわかるけど、それそれー! みたいにはわからない。最後の手紙の紺ちゃん宛の文面が、スマスマコントのマー坊まんまだったおかげでわかったので、中居正広(42)に感謝した。「剛の法則」「長渕剛か!」は、ぜんぜんわかんなかったので、長渕さんのエピソード調べちゃったよw わたしでもこうなので、もっと若い人にはどう見えるのかなあ。物語は自分を映す鏡だと思いますが、わたしの姿はまだ映るタイミングじゃなかったかもしれない。

本編以外の雑感としては、できればもうちょっとチケットが取りやすくなってくれるといいんですが、これはこのペースでしか公演がない以上、きっと今後も状況は改善されない。公演が3年に一度しかなかったとしても、全国的に、ファンの「ナックスに会いたい」って欲求を解消してくれる場が、公演以外にあれば、ちょっとマシになるかと思うんですけど、テレビですら会えませんからなあ。ナックスに限った話ではなく、お芝居の公演においてこの「会いたい」って、正直邪魔だと思うんですけど、ナックスさん名物の長いカーテンコールなんかはそれに応えるためにやってるんだろうな、って思うので、わたしに否定できるものではない。

続きます→ TEAM NACS 第15回公演「悪童」 盛岡・名古屋 - かくれが