かくれが

とあるスマオタの備忘録

小川町セレナーデ

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これ、もっと早く記事あげたかったんですけども、もたもたと……えー、観てください(直球)。「泣ける」とか、「心あたたまる」とかに惹かれないほうの人(わたしだ)には、「安田顕のオカマどんなもんよ?」みたいな興味しかないと思うんですけど、てゆかそういう映画って量産されててべつにもういいやって感じだと思うんですけど、この映画すっごい出来がいいのですよ! いまいち適切な語彙を持たず、なんか変にえらそうな言い方で申し訳ないんですが、すごく上手い。宣伝の感じとかから、そういうのぜんぜん受け取れないんだけど、よくできた映画……びっくりしちゃった。初監督作だそうですよ、すごいなあ。ぜひとも次撮ってほしいなあ。観たい。わたしわりかし映画一本見る集中力に欠ける方なんですけど、まったく気がそれることなく119分、むしろ短く感じるほどの集中で観られて、やーすごいなー。神経質なまでに、ストーリーにも演出にも、丁寧さ感じる。予告で使われてるシーンの、本編中での意味の持ち方とか、予告からいい意味で裏切られる仕掛けなんかもあったりして、すべてにおいて丁寧……。その丁寧さで心を打つ、ほんといい映画でした。なかなかの上映館の少なさで、宣伝もわたしの目にはちょっとズレてる気がして、もったいないったらありゃしないんですけど、観るか迷ってるとか、ちょっと頑張ったら観られるとかいう方は、ほんとぜひ。安田さん、ちょうきれーだよ。

日舞台挨拶に行ってきましたが、久しぶりに安田さん見た感じが。じゃんぼり以来なので、わりと最近なんだけども、素の安田さん。たぶん、ひとり語りの緊張感挟んでるせい。昼間のイベントの安田さんって、ビジュアルがいまいちぼやけてらっしゃることが多い(二日酔いなんでしょう! 知ってる!! この日も1回めの新宿ではそう言ってたね??)けど、川崎の舞台挨拶はちゃんと午後だったから、眩しいくらいに美しかった(笑)。ちょうかっこいい……好き!!! 髪のボリュームとか、今くらいの好きだなー。こういうタイミングで、近くで拝見できるイベントあるの嬉しい。監督はもちろん、須藤さんも藤本さんもすごくこの映画愛してらっしゃるんだなあ、という気持ちに満ち溢れた舞台挨拶でした。いや、安田さんもだけども。安田さんはああいう座組だと、引っ掻き回して盛り上げる方に張り切っちゃいがちだものねw

以下、ネタバレしてる感想。
年なのか、なんやかんやで親子もの観たら泣きやがる今日このごろですけど、ご多分に漏れずめそめそしましたなあ。わたし、十代の頃にやさぐれていたことがあるので、親に嫌なこと言っちゃう娘とか、ぐうってなる。わたしはわりと早く家を出て、実家には戻ってないので、母とはたまに会うともだちみたくやっていけてるけど、数年で帰ってたらあんな感じのこと言っちゃう気はするなあ。甘えてるんだってこともわかるんですけど、だからって言っちゃだめだよ>< つら>< その娘の頑なさが融解していくのが、派手なイベントを起こすわけでなく、いやニセオカマバーやることを決意するのは派手なイベントではあるんだけど、それで直接的に母娘の和解を描写してるわけじゃないんだけど、そのイベントを丁寧に描いてって、母娘が打ち解けていくのにつながってるのが素晴らしいなあ、と。わたしはわりと母娘に注目してしまったんだけど、やっぱりメインはエンジェルさんか。いやー、美しい。美しい。何度でも言っちゃう美しい。そして、いい女だ……。もうすべての仕草がいい女っぷりで、これ永遠に観ていられるやつや。女装って、どんなきれいでも、女性と並ぶと身体のパーツのつくりのでかさみたいなのに、男性を感じるもんだと思うんですけど、いやそらでかいんだけど、それでもなぜパリスと並んで踊って細く見えるのだ……なんだあの腰……。いやまあ普段から細い腰でらっしゃいますけども、その腰からでかいケツついててそこ好きなんですけど、エンジェルさんもそのままの腰と尻なんですけど、ダンスシーンずっとそれ見てしもたがな。ひとり語りのときも思ったけど、安田さんのあの手で、女性らしいを超える繊細な仕草見せられるのが、ほんとたまらん。女性女性言ってるけど、人物としては「わたしはエンジェル」と、繰り返し言うように、性別を感じない……というと、語弊があるなあ、オカマとも、女性とも思わないというか、まさにこの人はこの人でしかないんだな、と。エンジェルだった。小夜子との対話も、母親ではないんだよなあ。これだけ強く自分を持っている人というのは、怖いというか、敬遠する気持ちが湧いてきそうなもんなんですけど、どこか寂しくて、弱くもやさしくもるんだよなあ。真奈美と小夜子を受け入れられない、でも疎んじてるわけでもない序盤とか。おみかんの箱のシーンが好きだ。そして、チャーミングで、惚れっぽい。予告のラーメン屋のエンジェルが、ものすごいいい女っぷりで吹いたけども、そうか、あれ、ロックオンした瞬間だから、いい女なんだな。惚れっぽさまるごと小夜子に遺伝してしもて、ほんともうww 父はノンケ専、娘はゲイ好みって、大変だな……。明言されないけど、母は女性が好きな女性なんだろうなあ。LGBTの扱い方が、とてもフラットだと思いました。わたし、不勉強なので、この辺あんま言及したくないんですけども。まあ、なんだ。最終的に、孫も生まれて楽しそうでよかった。娘は受け入れがたかったのに、孫はかわいいあたり、ほんともうwww そういえば、冒頭のステージシーンが、滝沢歌舞伎か! って感じで、もっと観たかったです。エンドロールのトメが安田さんだったので、ものすごくむねあつでした。発表になった時も、主演表記嬉しかったもんなあ。それが、こんな素敵な作品で、オタクは幸せでございます。