かくれが

とあるスマオタの備忘録

TEAM NACS SOLO PROJECT「安田顕 ひとり語り2014〜ギターの調べとともに。」 東京

東京・シアターサンモール 8/29昼,夜,31

終わったー!!! 自分で組んだ予定とはいえ、こんな連日劇場通えるんかと思ってましたが、体力的に限界が来ることなく、せっかくの観劇に集中できないほど気力が削がれることもなく、観るのに飽きるほど興味が尽きることもなく、ものすごく楽しく、東京楽の31日まで、サンモールに通いました。こんな連投したお芝居、はじめてなんですけど、セリフも段取りもかなり頭に入ってて、なんの習い事だ(笑)。

覚えてるので、ちょっとしたミスに気づくようになったら、そのリカバリもお見事で、ますます惚れ惚れ……だけど、わたしが好きな仕草よく飛ぶんだよぷんすこ!(笑) 観れば観るほど、新しい発見もあるし、座席位置や、客席の温度による印象の違いもおもしろかったです。いい経験したなあ。もうやらないけど!w こんな連投やるとしたら、次のひとり語りになるんじゃないかなあ。

通って通ってわかったことは、わたしやっぱりこの役者さん好きなんだな、と。日頃から口癖のように言ってますが、わたしはミーハーの顔ファンなので、それ以外の魅力なんてなくたって大好きだと思うんですが、大変魅力的な役者さんです。美人は三日で飽きるらしいけど、一週間通っても飽きないんだから、ただの美人ではないんだ(笑)。安田さんとあんまり趣味が合わないので、セルフプロデュースであるこのひとり語りって、好きじゃないんだけど、好きじゃないからっておもしろくないわけでもないし、おもしろかったら結局それでいいし。突然、号泣するほどの衝動を呼び起こされる公演があったかと思えば、また淡々と静かに胸が震えるだけのこともあり、ほんとおもしろいですねえ。わたしはどちらかというと飽きっぽいので、これだけ熱意を持って、観ていられる表現者に出会えたことが、ありがたいです。演目自体が、わたしの人生を揺さぶり、ちょっと取り憑かれちゃった気がしてる前回とは違うけど、そういうこだわりなく、安田顕という演者にずっと向き合っていられる90分、尊い、そして熱い。俺と安田の勝負だ!という意気込み。

以下、前3記事既読前提の、ネタバレ込みの雑感。そろそろ、感想とかいうものでもない気がする。
顔ファンは、安田さんの顔をしているというだけで、どの作品のどんなキャラであっても点が甘くなるのだが(しょうがないだろ! 好きなんだ!!)、ひとり芝居は、つまり誰も彼も安田の顔をしているので、全員に思い入れを持ってしまい、気持ちが忙しいったらない。まあでも、もちろんおまつだ……最終的におまつだ……。安田さんの顔をしていれば、性別は特に問わないらしいね! おまつきれいだしね!! お若い頃の女装あれこれは、若いんだからどうにかなってるものと思ってましたが、おまつきれいだよ! 最近の小川町セレナーデのエンジェルさんも、前回語りのかずちゃんもきれいだった。なんだかんだで、安田さんの女装はいつもきれいなんだよ!*1睫毛の影がなー、どんな役やってても、美しいんだけど、おまつは目を眇めがちなので、伏せたまつげですごく黒目がちに見えるのだ……可憐……。反面、眉間の骨が眼窩につくる影が、男性的な美しさ。年齢のせいもあり、またこの公演でお痩せになってるのもあって、顎から喉、首の肉がすっかり落ちてて、間違いなく壮年の男性特有の窪み方とかなんだけど、あれでおまつが襟足見せたりするのが、なぜかとても色気があって、その色気はやはり女性的なわけでもなく、しかしもちろん男性的なものでもなくて、なんとも倒錯的です。

ビジュアル面では、福井であんなに盛りすぎだと思った衣装が、東京ではシンプルで綺麗に見えるなあ。向かって右側、安田さん本人からは左側が女性らしく、その逆が男性らしく作ってあるんだな、たぶん。なので、おまつは、左半身が客席を向く、上手から下手に向かって話しかけてることが多いように思う。襟を掻き合わせるとおまつ、羽織を払うと男、腰を曲げてるのが老おまつ。おまつが襟を合わせ直すときに、ふんわりふくらんで揺れる左の紫の袂がとてもきれい。紫の羽織である右の肩に茶色のあて布、その上に紐を編んだ網目状のものが縫い付けられてる。左の肩からかかってるオレンジに黒紋の帯みたいなものには、編んだ毛束のようなふさふさが固定されてる。髪を思わせるものは他に、頭の布の結び目のあまりと、同じ箇所から下がってる茶色の紐。中に着てるのは、黄色〜茶色のパッチワークっぽい着物。下半身は茶と緑系の花柄の布。羽織の左も継ぎ接ぎだけど、短い袖の肩から出てる布が、頭の布と同じ布。他の垂れ下がってる布の中に、風呂敷と同じ柄の布あったりする。風呂敷は3種の継ぎ接ぎ。中の着物の右袖(向かって左)は抹茶色で、たもとのついてないすっきりした形。これをたぐって、柿食べたあいつの口元拭いてやるマイム飛ばさないで安田さん!!!w 足元は地下足袋。右足(向かって左)が肌色に赤い紐、左足が緑や茶色の帯状のものが巻きつけてある。服の構造はするする思い出せるが、色柄があやふや……紫の布、花がらだったっけ? なんの花かとか、全く意識しなかったな……左脳人間……。31日、羽織の右の紫の布が、前側ですごく垂れ下がってる部分あるんだけど、熊本編に入るより前に踏んじゃって、踏んだこと自体は別に危なげなかったんだけど、ちょっと破けたせいで、引きずる長さになってて、その後ずっと踏まないようにするの大変そうだった……舞台に破れた切れ端落ちてた。ときどき踏まれて、置き去りになってる切れ端、なんだか切なかった。31日は、他に、中に着てる着物の合わせが甘いのか、めっちゃ下着見えてて、つか、あれ縫い合わさってると思うんだけど、つまり痩せたから、胸元ゆるくて、中が見えるのでは……。大変なんだなあ、9日間休演日なし。でも、そこちらちらするの、なんともえっちです……熊本編の激しくされるおまつが沈んでいく時、めっちゃ胸元見えてるんだもの……。ところであのシーン、初日の印象は昔の少女漫画で花が散るような表現だと思ったんですが、東京楽には日活ロマンポルノでした。どうした、おまつ。ガクガク震えてたよ……。どんなのイメージしてやってらっしゃるのか問い詰めたい。とりあえず、おまつって、スレンダー巨乳だよね?? だって、わたしのおっぱいのあいだには、剃刀など挟めない……ストンと落ちる…… どうやって挟むねん! ふじこちゃんか! ふじこちゃんか!! って、毎回思ってる。 ……いかんいかん、話を戻します(笑)。頭の布なんですけど、あれ下がってくると、表情があんまり見えない……のが、東京では目まで下がってくることはなく、ありがたかったんですけど、眉毛は意図的に隠してらっしゃるのかなー、たぶん。そもそも、自眉もすごく細くしてらっしゃるし。髪や眉を隠すのって、すごく緊張感出るなあ。語りでしか安田さんに接してなかった先週、髪のある安田さん見たら、すげえほっとしてたもん。八百比丘尼、尼僧のイメージなのかな。坊主にはしにくいよねえ、他のお仕事もあるし。でも、おきれいだと思うんだけど、坊主。とりあえずヤスダッタしか思い出せないけども(笑)。顔のきれいな人の坊主は良きものですよ! 29日マチネカテコのご挨拶かなあ、「毎日が千秋楽の気持ちで……いや、千秋楽というのは、お酒がつきものでして、千秋楽の前の日の気持ちで、つとめさせていただきたいと思っております」だったので、やっぱりお酒控えてらっしゃるおかげか、お肌とかちょうきれい。ビジュ面ついでに、これもうひとり語りの話ではなくなるが、サンモールは客席が低いので、前方に座ると、がっぱし口開けた時に、歯並びが奥まで見えて、差し歯とそうでない歯がわかって、さすがにびっくりした……安田さんの舞台何十回観てると思うけど、歯並びて……。審美歯科ちっとも詳しくないのでよくわからないけど、差し歯つーても、意外とがちゃつかせてるんだなあ。っていうか、そこまで他人の歯並びに注目したこともないし、見えたところでどうしようもないんですけど(笑)。しかし、見た目に絞っても、まだまだ知らない部分があるという、新鮮な驚き……。

初日からずっと、笑いのツボがハマらなくて、こんなの趣味の問題なので、ハマらんものはしょうがないんだけど、なんでここで笑うのかぜんぜんわかんないなーと思ってたいくつかのシーンが、自分は結局笑ってないけど、なんとなく気持ちはわかるようになったのでほっとした東京公演。落語みたいに、首の向きで複数のキャラクターを動かす(例:満州の軍人とおとうちゃん)のと、立ち位置を動いて別キャラになる(例:熊本の伏兵とあの人)のとでは、後者がコミカルに見えるから、笑わす感じにもっていきがちなのかなあ。いや、落語風でおもしろいシーンもたくさんあるんですが。笑わせる部分以外では、ちょっとした仕草で、役を切り替えてることが多いかな。泣きも笑いもせずに観ていることがほとんどなんだけど、満州の「一発、二発じゃ、死にゃあせん。なにせ、散髪屋だもんな」で、必ず笑う。よりによってダジャレか! という気もしなくはないけど、たぶんあそこ笑って、気を緩めたいのかな……。最初の方、ぜんぜんうけてないのに、わたしだけ笑ってて、ヒッ!ってなってたね。東京ではわりとうけてた。どんどん。「あたしにのっかってるときのおどさみてえにな」も、内心ウケてる。あれ、スルーしてこそなので、黙ってますけど。てゆか、とにかく黙ってますけど(笑)。どんなシーンも、べつに笑わんでもええと思ってんのかなー。そもそもが、笑いというものに鈍感なほうではあるので、なんかいろいろ自信がない……。26日かな、おまつが何度切っても死ねないシーンで、笑い起きてて、すごいびっくりした。そこまでの死にまつわるシーンって、熊本のあの人の最期も、自死できないおまつも、おどさがころっと逝くのも、名古屋のあいつを探し回るおまつも、(わたしはやっぱりそんなに可笑しさを感じないんですが)ちょっと笑わせておく感じになってるので、笑っちゃう人もいるのかなあ。そのへんって、満州で滑稽なほどにもがくおとうちゃんやおまつの、滑稽だからこその壮絶さの表現の布石にしてるように、わたしには見えるんですけど、わたしがいまいちチャンネルが合わないと思ってるように、笑っちゃう人も合わないんかなーと思う。わたしはわたしなりにおもしろく観てはいるんだけど。まったく不満はないけど! こーゆーの、ひっかかり少なく観られた日のほうが、すとんと胸に落ちてくる。

連日入ってると、テンポ変わってて、おっ?という気持ちになったりもする。古澤くんの演奏も、日によっていろんな表情ある。東京後半、自由度上がってた気がするなあ。28日に随分雰囲気変わったと思うけど、29日マチネはなんか前に戻ってて、ソワレはその中間くらいだったなあ。芝居の間を変えたりするのは、それ自体の質というより、芝居の張りを保たせるためなのかな、と思う。マギーさんの演出論とか聞いてると。リピーターはどうしても、最初の印象を追いがちになるけど、東京で現れた、おまつに向かって、ロシア革命の重要性をまくしたてるも、ふっと恥ずかしげになるあいつがとても好きだったりもする。通ってるので、セリフの間違いがあると、気づくようになってきてて、ハマっちゃってるトチりポイントがわかってしまい、ついつい力んで観てしまったりも。「額に目隠しの白い紙貼られ」と「あの人ののびたもみあげ整える」あたりが、前者は終盤なおったけど、後者は前楽も間違ってた気がする。「あの人ののびた剃刀」って言っちゃったときに、ほんとに一瞬、フリーズしたのが、最高に緊張した。 こういう客、ほんと嫌だなあw 段取りも把握してるので、名古屋の柿食べるマイムが、音合わせの調整かなんかで、飛ばされちゃうのとかも観てるよ……しつこいけど、柿食べさせて、口拭いて、微笑み合ってちゅーするの好きだよ! ぜんぶやってほしい!!ww 29日マチネに、満州の捕虜刺殺、剣が折れる4人目のとこで扇子落としてしまって、5人目行くときにさりげなく拾ってるのにときめいたんですけども、今回のお芝居、感情的なシーンほど、クレバーに計算づくで演技されてる印象がある。泣いてるシーンでも、あんまり涙流してらっしゃらないし。木に寄り添うとこ、捕虜を殺すおとうちゃん、最後くらいかなあ、泣いてそうなの。 ……って思ってたけど、東京終盤は、カテコで目元拭ってることも多かったし、楽日なんて、もう、おまつの自死シーンとか、眼球ごと流れるんじゃないかと思った。久しぶりに、鼻水拝見しました(笑)。そんな楽日の感想は、後述。

「あの女」絡みのセリフメモ。

  • 熊本編、土壇場)あの人に会いたい!あの人に会わせて!心中しようとしたんだ。殺そうとしたわけじゃない!死に損なっただけなんだ!あたしは死んでもいい、もう一度せめてあの人に! よか。会わしちゃる。(斬首) 嘘つき! ……嘘つき?わたしは震えが止まらず、それでも目は離せず、あたしひとりが見届け人。 その女、百姓の娘でね、侍と言い交わした仲だったそうな。四民平等のお陰で、ようやく一緒になれるって喜んでたのに。お役御免になったその刀。そいつであたし、剃刀作った。あの女の血をたっぷり吸った剃刀なんだね。
  • 蝦夷、うぬぼれ鏡) あのひとに首はねられたあの女、男に裏切られそうになったんじゃないのかね、それで無理心中仕掛けたんじゃないのかね。 あの人に会いたい! よか、会わしちゃる 嘘つき! 嘘つき……? 嘘つき!(目を閉じ耳を塞ぐ)
  • 名古屋)襟足を滑る剃刀も、若い素肌をすっすすべって、なんだか和んだ働きさ。あの女の血を吸ったことなんか忘れたみたいにね。 (名古屋で剃刀の話出てくるの、ここだけだと思うんだけど、だから平和っぽいんだと思う)
  • 満州、自殺後) あの人に首撥ねられたあの女、こんな馬鹿な目に合わずに済んだんだ。しあわせだったのかもしれないね。
  • 気づいたあと) やっぱり死ねない! (泣き出して)(笑い出す)この剃刀、あの女の血をたーっぷり吸ってんだね。いま、ようやく男の血を吸って、やっとのことにあの女、成仏したんだよ!!! ねえあんた、違うかい?あたしはたくさんの男に出会ったよ。あんたは会わずに済んだのさ!!

熊本の「嘘つき!」のあとは、「あたしはそれでも目を離せず」なんだけど、蝦夷で回想するときには、耳を塞いで、目を閉じてる。全身で拒否ってる。そのあと、名古屋では忘れてる。忘れてるけど、どっかで覚えてる。続いて満州で、おとうちゃんが自決し、おまつが自分が死ねないと気付いたあと、おまつはおとうちゃんのこと忘れてしまう。そしてのこるのはあの女のことだけ。おとうちゃんが死んだ途端、過去の男の一人に成り下がってしまってんの、気付いてちょっとぞっとしたなあ。それまでの男も、次の土地に行ったら、忘れてしまう。老おまつは最初に「なーんにも覚えちゃいません」って言ってる。おまつにとって特別な存在は、剃刀とあの女だけだ。絶対的におまつの主観だけで綴られた物語なんだけど、それ以外の視点で読み解こうとすると、おまつが怖い女で、悲しくなる。「ずっと黙ってる」「何も覚えていない」って言ってるけど、過去をつらつらと語る。どれが真意なのか。

元になったという八百比丘尼伝説って、不死性と神聖性の二本柱でできてると思うんだけど、この話は神聖性を裏返してるんだよな、構造としては。おまつはただ死を呼ぶ女であり、誰かの聖者になることはない。なんでそんなことすんだよ、嫌な話だな! と、私のような小物は思うんですけども(笑)。 なんとなく見え隠れする売春の気配って、それつまり神聖性の裏返しだと思うんよな。巫女と売女は裏表。そういうのを、知識で補完してくことはできるけど、感覚的にずばっとはまるとこがなくて、もどかしいなあ。そして、感覚で物言うと、嫌な話だな!ってなるw ところで、わたしずっと、「老おまつ」って表記してますが、あれが四十そこそこの美女だと思って観ると、ものっそ怪談っぽいんだよな。怪談つーか、都市伝説。世に奇。腰曲げてるし、声も枯れてるので、お婆さんでいいんだろうけども、それこそ幽霊妖怪精霊その他諸々妖かし的なものだと思ってていいだろうから、容姿が若い美女でも問題ないんじゃないかしら。安田さんのあのビジュアル見るに、四十前後の美女がわりとしっくり来ると思うんだよなあ。四十路の美しい夜鷹が、日傘の下に男を誘うとか、たまりませんな……。各時代のおまつは、観てる印象しては、熊本ハタチそこそこ、蝦夷三十代、名古屋でちょい戻って二十代後半、満州で三十代後半。どのくらいを想定してんのかなあ。 名古屋のほうが、お話が初々しいのと、まず間違いなくおどさよりあいつのが若いだろうというのと、蝦夷がほぼ老おまつの語りで進行するので、蝦夷と名古屋で年齢の印象逆行しちゃう。

小ネタとか、キーワードとか。

  • 菊の御紋の煙草 http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%81%A9%E8%B3%9C%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%81%B0%E3%81%93
  • 名古屋のあいつの、腰にあてた手の形が、モテリーマンすぎるので、やたらそこを見ていた。
  • 名古屋のはじまり、舞台奥へ進むおまつって、あいつの演説に見惚れて、歩み出てるんだなあ。
  • ラップのあとなので、なんとなく聞き流してたが、あいつの演説聞いて、打ちこわしの群衆に紛れてしまい、警官が制圧に来て、おまつも逃げ出して、「あたしは雇われた横丁の床屋へ逃げ込んだ」なのね。お店ほったらかして旅に出たのか気になってたけど、雇われ美容師なのねー。
  • 鶴舞公園」「大須観音」か。鶴舞公園の集会、Wikipedia米騒動の説明に出てくるなあ。 http://ja.wikipedia.org/wiki/1918%E5%B9%B4%E7%B1%B3%E9%A8%92%E5%8B%95 つまり、1918年8月10日深夜の話なんだな、あいつのオールバックとチャップリンひげばっさりやるの。
  • 「なんの苦もなく安宅の関」は勧進帳 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%AE%85%E3%81%AE%E9%96%A2 セリフ思い返すと、なんとなく聞き流してた言葉、いっぱいあるなあ。
  • 「欧州大戦まっただ中の去年」 欧州大戦=第一次世界大戦(1914-1918) 。1917年ロシア革命、1918米騒動
  • その晩の宿にも困ったのあとのマイム、サイレントなんだけど、唇を読むに、農家の人に人差し指立てて「一晩だけ」「はい」「ありがとう」、振り返って「おいで!」だ!!!たぶん!! 「おいで!」ってめっちゃ高まる!!!年下彼氏かわいすぎだろおおおおおヽ(;▽;)ノ
  • 満州の、「三反五反の小作」三反百姓、五反百姓は、水飲み百姓の意。
  • 「一望千里、黄塵万丈」とか「満蒙開拓団の長」とか、印象的な言葉多いなあ、満州。 北は中国、東はウスリー川、川の向こうは露助の国。どっちからでもそのうち来よる。
  • 畑のかぼちゃが化けて出るのって、西洋の文化なんじゃないのかなあ、ってなんとなく毎回考える。ちゃんと調べてない。
  • 「まつどのの十銭床といや縁起がええって。大人は十銭、子供は五銭。苦戦を越える十銭なり、死線を越えた五銭なり」→「街場で25銭はするところ、半額以下の10銭で」 →「増えた子豚を売るだけで、200円にはなった。床屋に200回行ってもまだ余る」 物価上がってるなー。
  • 「おまつは旅をする」の歌のときに、下手から上手に向かって、動きがちなの、ちょっと気になる。セオリーとしては、やっぱ上手から下手だと思うんだよね。 というのを、このツイートが流行ってて思い出すなど。 https://twitter.com/dankoromochi/status/505567085670301696/photo/1 おまつは、様々なところを流れ流れているが、過去から未来へ向かって流れてはいないのかもしれない。

東京公演はじまってから、ようやくパンフレットとか、雑誌記事とか、ざっと読んだんですけど、わりと答え書いてあるなあw そんなに的はずれなことは言ってなかったかな、わたし。SODAのインタビュアーさんが、台本読ませてもらってるの羨ましいww 戯曲、読みたいですねえ。原作にもあたりたいけど、どこにも記録物なくてしょぼん。

終演後流れてる曲、Here, There and Everywhere のインストか。 http://www.youtube.com/watch?v=jmXLd8haQXA せっかくなので、古澤くんの演奏動画。これって、いつからだろう。小浜、京都はなかった。たぶん。福岡はあったと聞きました。ホール公演のみなのかなあと思ってたら、新潟もあったみたいなので、福岡以降流してるのかな?

なんというか、何から何までテクニカルに意味と意義が仕込まれてるので、ついついいろいろ考えてしまうが、こーゆーの考えて欲しくないんだろうなあ(笑) 。

そんな、いらんことばかりを考えてる私ですが、東京楽の31日、いままででいちばん泣いたよ……最後なんて怖くて泣いた……。いままでほとんど泣いてないし、怖いと思ったことはなかったんだけど、いろんな感想出るもんだなあ。うぬぼれ鏡の前のおまつが、あの女のことを話し始めるときの豹変ぶりとか、おとうちゃんの自決の覚悟の静けさとか、鳥肌立ったわ……。安田さん、もうぜんぜん違う。あんまり泣いてないこと書いた気がするけど、ずっとボロボロ泣いてるし。おとうちゃんが泣き崩れ、その涙のあとが残ったままの軍人が、おとうちゃんを追い詰める凄み。松の木に寄りすがるおまつの目からこぼれ落ちる涙は、美しすぎて泣いた……。ご本人がよくおっしゃってるとおり、楽だからって、なんか違うとか、最近そんなになかったと思うんだけど、なんだようヽ(;▽;)ノ カテコも、安堵感かしら、最初から笑顔で、信者は笑顔が眩しくて、また泣いた……。客席も、わりと限界まで補助席も出てて、幅は狭いが流れの豊かな川も、逆流できないほど楽しく流されていらっしゃって、よかったよかったww ガチ満席ですもんねえ。何日だっけなあ、お隣の方が、安田さんが演じてるおまつじゃなくて、おまつが見てる先にいる相手を見ているのに気づいて、ちょっと震えたんですが、わたしはやっぱり安田さんを見ているし、そこから得た情報を、脳内で再構築して、その場面に投影して見ているので、舞台上に直接見える人が、すごい羨ましい。と、思ってたけど、この楽日は何度か、おまつの見てる先に見えるものを、直接見た。三町あまりも先の柳の木のしたのあいつの遺体とか、思わず見ちゃった……すごい、わたしにも見えた。考えなくても見えた。もー、それまでいろいろ考えてたこととか、わりとすっとんだ。なにがそんなによかったのかは、よくわかんないけど、私の中でいちばんです。

書いたものの、ニュアンス伝わりづらい感じなので、落とそうか悩んだ、東京楽カテコの安田さんのご挨拶。なんかなー、これ文字だと、誤解ありそうなんだよなあ。 そしてもちろんわたしの記憶違いもあると思うので、まあそんなこともあったのかもな、くらいで。そんなん言ったら、ここまでの文章ぜんぶそうなんですが(笑)。

「(古澤さんの挨拶をうけて)素晴らしいお言葉をいただきまして、立候補したらうかるでしょうね。集団的なんとかでも受かるでしょうね。表現することが大好きな音楽家でらっしゃいます。古澤さんでなければ、このお芝居はできなかったと、日々確信をしています。 そして、演出のマギーさん、照明さん、音響さん、舞監さん、制作さん、様々なスタッフさんのご尽力によって、このひとり語りができています。何よりも、お客様のおかげです。東京公演は、本日で終了します。 福井県からまわってきました。このあとは、東北、札幌と、バスでまわってゆきます。この木を積んで。どんなところでもできる舞台を目指して作りました。また、お会いできることを祈っております。 いろんな街をまわってきましたが、中でも、この東京は(笑い起こる)……あの、本音です。笑っていただいて構いません。僕は本気です! これだけたくさんのお客様が、連日お金を払って見に来てくださる、この街が好きです。 あ、札幌は、もちろん好きですけども(笑)、東京という街も、どこの街も、お客様が素晴らしいお客様です。本日のご来場、誠にありがとうございました! 」

これたぶん、東京がやっぱり観劇慣れしたお客が多くて、舞台にかける熱意が大きくて、やりがいがあったみたいなことを言いたいんだと思うんですけど、うまく言えてないし、伝わらなくて笑われちゃうし、ぐだっちゃったんだと思うんだよねえ。でも、にこやかに、はにかみがちに、ちょっとおもしろおかしく話してて、本当に素敵なご挨拶でした。このあと、アンコールでおふたり出てきて、一礼。東京公演は、厳しい空気のままのカーテンコールが多かったんですが、楽日のこのほっとした雰囲気、わたしにはすごく胸に来るものがあり、本編と別に泣き直してしまった。安田さんって、わりとひねくれものつーか、本音を限定的にだけ見せるひとだとは思うんだけど、今回のひとり語りにおける、ストレートに生の感情が伝わる感じ(個人の主観です)って、なんなんだろうなあと、感極まってしまい、本編と別で泣いたのですが、すべてわたしの思い込みなので、キモオタ乙でしかない(笑)。

福井初日カテコもついでに。メモ作ってから、書き起こすまでに時間たってるので、こっちのほうがさらに正確性低い……。

「本日は遠路はるばる、もしくは近郊からお越しいただきありがとうございます。本日、安田顕ひとり語り2014スタートを切ることができました。ギターの調べということで、古澤剛さんからご挨拶をお願いいたします。(古澤くんのご挨拶、お礼など短め) 古澤剛さんでした! こちらのお寺、お借りできて感謝でございます。落語などは今までもあったようですが、お芝居をされるのははじめてということで、本当にありがとうございます。こちらの岐阜の小浜市というところは……え? あっ! ごめんなさい!!(爆笑)岐阜は次だ! 福井県小浜市で……あってますよね? 小浜市の方、いらっしゃいますか?(ちらほらと挙手)小浜市は、八百比丘尼伝説にまつわる土地ということで、近くにも比丘尼のお墓があり、パンフレット撮影で行ったんですが、椿が大変綺麗でした。この「日傘と剃刀」という原作は、私が生まれた1973年に、その八百比丘尼伝説にインスパイアされ書かれたもので、ぜひこの地からスタートしたいということで、この初日を迎えられました。こうして、好きなことをやらせていただき、それを御覧いただけること、幸せです。感謝しております。これを仕事にできる幸せを噛み締め、これからも精進いたします。本日のご来場まことにありがとうございました!」

思い出し、他会場メモ。

  • 小浜初日はギターが一本だったので、古澤くんがこじんまりしていた印象w 古澤くんのギターを入れ替える無音ぶりの力んでる感じたまらんかったが、東京ではすんなり入れ替えれるようになってたねえ。
  • 京都公演のおまつは、履物はいてた。舞台に上がるときに脱いでたけど。京都以外では見てないなあ、わたしは。
  • 安田さんの動きは、能楽堂では、横長の普通のステージを、半円形に広げて、さらに目付柱があるので、見せ場を正面と脇正面に振り分けてる印象。

特に誰も気にしてないだろうし、私も別になんだっていいんだけど、記録し始めたらやめられない、影絵メモ。

  • 29日マチネ:キツネと鳩のみ
  • ソワレ:キツネ鳩+かたつむり(ぐーちょきぱーの歌のやつ、影絵じゃないよそれ!www)
  • 31日:ラップがえらくご機嫌で、古澤くんが入って来ても、不機嫌そうにせずに、あらあらウフフみたいな表情で掛け合いに入り、EXILE的なぐるぐるやって、影絵なしwww 余談ですけど、ラップに古澤くんが入ってきて、不機嫌顔で振り返るおまつ、ちょう色っぽい! 好き!!

続きます→TEAM NACS SOLO PROJECT「安田顕 ひとり語り2014〜ギターの調べとともに。」 - かくれが

*1:どうでもいい余談ですが、わたしが見たことのある安田さんの女装では、AIR-GのRの企画CD-ROM内の動画の女子高生がいちばん美人だと思ってたんですが、おまつやエンジェルさんにあてられたので、こないだ見直してみたら、あれって特に芝居するわけでなし、特別なメイクをするでもなく、ヅラすらかぶってなくて、ただ安田さんがセーラー服着て座ってるだけだったので、びっくりした。つまり素が好きなんだねわたし……女装とかじゃねえだろそれ。