かくれが

とあるスマオタの備忘録

TEAM NACS 第16回公演「PARAMUSHIR〜信じ続けた士魂の旗を掲げて」東京前半

赤坂ACTシアター 3/15,20,21,22昼,夜

東京2週目にぱたぱたっとチケットにご縁があって、3日間4連勤してしまった。初めてじゃないかな、同じ芝居を4連勤するの……。わたしは本来そこまでの多ステ派ではないんですが、この際観られる限り観よう!と、暴走しておきます。元気になったので。当日券もほぼ連日全プレだし。東京はまだ当日券で入ってないんですが。連日訪れる赤坂は、日に日に春めいている。花粉も多い。

このあとにあったのは23日放送の金スマ金スマは……わたしは予想どおり中居の言葉に倒れてまだ起き上がれてないので、ナックスさんとしてはなにがなにやら咀嚼しておらぬ。まあでもだいたい既出の話でしたしね。安田さんが、ご自分の劣等感めいたものについて、こういう場でお話しするというのは、裏を返せばいまは話せる心境だということなので、ちょっとほっとするかなあ。でも、それも、ずっと見てるとなんとなくわかってることだし。ブルーリボン賞ノミネートのときの、大泉さんとのやり取りとか。チームって良いものですね……しかし、スマオタのわたしがお腹おさえてうずくまるので、このくらいにしておきます。

21日は、音尾さんのお誕生日でした。カーテンコールでちょっとしたお祝い。何がというわけではなく、とにかく多幸感に満ちた、良いカーテンコールでした。リーダーと安田さんが、しきりに顔を見合わせて笑っていて、チームって良いものですね(お腹おさえてうずくまりながら)。

そして、東京公演から発売の写真集と、写真集についてくるサントラ。ナックスさんわりと、公演中にサントラ売ってくれるので優しい。サントラ聞いて、劇場の感覚ありありと思い出せるこの感じも、もう少しなんだよなあ。劇場通ってる時だけ手に入れられる感情ってある。わたしこれ人生でチームナックスからしか得てないので、一般化できるものなのか知らないけども。通えるほど何度でも食える舞台もそうそうない。これ、食える。うまいし、消化にいいわけではないが、デトックスぽさある。下してんじゃねーか。

さて、毎度のネタバレ感想。しかし、こんだけ観劇重ねてると、同じことの言い直しと、重箱の隅みたくなってくるので、この記事読むなら、最初の方のやつのがまだマシかと思います。どっちにしろわたしの世迷事ですけども。大阪愛知仙台とある。
ACTシアター! ACTにきて、もうありありと、照明と音がいい。照明は、演出プラン変わったんかな?って思うくらいに、印象が違って見えるシーンある。演劇用のホールって違うんだなあ。今回、ピロティとACTだけかな。ピロティのときのことは、よく覚えていない……初日しか観てないからね……。音も、抜群にいい。音がいいので、爆撃音が怖い。初日以来に怖いと思ったな。初日にめっちゃ怖かったの、もう忘れてたな……。音がいいということは、歌がいい。曲がいい。チングルマの歌に号泣だし、エンディングのメインテーマがほんとだめだし。さらに、音がいいということは、そろそろ聞き慣れてるはずの最後の水島のセリフが……背中ぞわぞわした……。あれたぶん、録音だと思うんですが、録音であっても、わたしはそりゃあもうそりゃもう、あそこで子供みたいに泣く桜庭が、泣けたじゃないかって言われて、うんうん頷くの、もう溶けるんじゃねーかってくらい泣いてんだけど、ACTは水島の声が天から降り注ぐようで、やべえやべえ。

とはいえ、あそこ、観るたびにわりと印象違うんですけども、桜庭じーさん。そんなに泣かずに観てることもある。泣けるほうがえらいわけでもないしなあ。わたし、あのひとがわりと怖い。桜庭じーさん。すごい怖くて、終わるのがホッとする日もあるし、つらい思いをしてる人を見たくないという気持ちになる日もある。ただ、東京に来てからは、あんまり怖くなくなったなあ。安田さんの芝居が、鬼気迫るというよりは、弱々しく見せるようになったのかな?とも思うけど、わたしの受け取り方一つかもしれない。桜庭じーさんもだが、あのシーンで怒ってるご老人たちの、こどものころにああいうお年寄りいっぱい見たな……って感想は、30代以上限定かもなあ。こどものころに怖かったまま、このお芝居でも怖かったんだけど、重ねてるうちに、そうでもなくなってきた。なんでああやって怒ってるか、わかるようになったんだろな……。なにかっちゃー敬礼するお年寄り、まだ戦争してるみたいで、怖いと言う気持ちがずっと先に立ってたんだけど、あれは電気ブランと同じなのだな。わたしの目には兵隊さんの、戦争のイコンにしか映らなかったけど、兵として戦争を生きてたことそのものが、かつての日常なんだもんなあ。そもそも、電気ブランを一緒に飲むという描写がわかるようになったのも、わたしがそれなりに大人になったからだな。桜庭じーさん、電気ブラン飲みながら、お前たちに生きてて欲しかったって言うけど、考えてみたら、5人でぐだぐだ話してる時間にはすでに、歌と花を、優しさをくれた女子従業員たちと同じくらい、4人を生かしてやりたい。生きる意味のない自分の身をもって。それどころか、一緒にカレー食べたくなってるから、ちゃんと生きたいと思うようにすらなっている。わたしいままで、あの悲しくて怖いおじいさんが、ひとりで生きてることだけつらかったけど、ほんといろいろ受け取り方変わったなあ……。

つーか、東京の桜庭さん、じーさんになる前も、なんだか弱々しい。15日に観たとき、「どうしたらあんたみたいに泣けるんだ?教えてくれよ、水島軍曹……」が、思ってるより弱々しくて、よわよわよわよわよわよわよわしくて、むちゃくちゃ動揺した……。あんなんだっけ!? 桜庭さんって、弱々しく見せると、あまりにかわいそうに見えるから、あのダミ声とかで、怖くて厳しめの人に見せてるんだと思ってたんですけど、かわいそうでかわいそうだったよ!?(日本語)どっちが好きかというと、弱々しいほうが好きだな……。まんまと、東京に来たら、安田さんをめっちゃ観てんのも悔しい(笑)。しかし、弱々しくて可憐で儚いわ〜〜〜〜〜と思ってたら、カテコでリアルな体調不良を告げられたりするので、ほんとこの人……お願いだからお体は大事になさってください……。ご家族と暮らすようになったので、健やかでいてくださると安心していたオタク、倒れそうになったでしょう!!

桜庭さんが弱そうに思えると、水島軍曹はもうちょい桜庭さんに優しくして!ってなるの、なかなかに勝手(笑)。桜庭の地雷ぜんぶ踏む(池の水のイントネーションで)水島、ぜんぶ踏んでしまって、愕然としてる割に、その後すごいフランクに話しかけて、キャッチボール投げて受け取ってもらえないので、まあそりゃ受け取ってくれねえだろうよ、と思うが、なんというか気のいいおにいちゃんですよね。水島は魅力的だよなあ。リーダーはすぐ大泉さんにこういうのやらせるー、ずーるーいー(森崎夢女子モードのわたしは、なぜか大泉さんにあたりが強い)。桜庭、水島がいちいちぜんぶ地雷踏み抜いてくから不愉快なんではなくて、あの人が嘆き悲しみ揺れ動くそれ自体が、不愉快でたまらないんね。桜庭にはできないからね。八つ当たり。でも水島も桜庭の地雷踏んだんだし。あのあと、桜庭の告白聞かされた水島が愕然としてんの、基本的に横顔しか見えないんだけど、お席によってはお顔しっかり見えるんだよなー。泣きそうな子供みたいな、とてもかわいい顔をしてたりする。ライビュとかどんな感じで見せてくれるんだろ。桜庭にあれ言わせちゃったことを、埋め合わせられないままなんだよなあ、水島……。水島は揺れる自分が弱いと思ってるけど、桜庭は心が死んでて、ダメージを負うことすらなくなってるので、自分に近い境遇になっても、嘆き悲しむ心がちゃんとある水島が憎いって、水島にはわかんないままだろうし、わかんないからボール投げてくるし、桜庭がまたいつか泣ける日が来るって思ってるし。そして、水島がそう思ってるからこそ、桜庭が泣ける日が本当にくる。……というのを、ボールの受け渡しと、手榴弾の受け渡しで見せてる演出が、どちゃくそエモい。ところで、置き去りにされる桜庭かわいそうすぎると、なまじ配役が同じなために、最後まで家康と生きてくれた光秀どのっていいやつだったな、という気持ち高まる……いや、まじめに……。安田さん、ナックスでは取り残されがち問題。

桜庭の話を一生懸命してしまったが、わたしは田中が好きなんだろうなあ。切なすぎて、動いてしゃべってるだけで泣いてる日あるもん。こないだ髑髏上弦観たときに、兵庫ちゃんが動いてしゃべるだけで尊いモードになってしまったんだけど、つまり概念としての子供に弱いんだと思う。わたし、子供がつらい目に合う話、けっこう苦手なんですけど、これたぶん、ほんとに子役が演じる子供だと、つらさが先に来てしまうんだよな。兵庫ちゃんや田中は、合法ショタというやつだろうか。田中、中の人四十代ですけども。実際いくつなんだろな。今は、水島・桜庭が30代半ば、小宮アラサー、矢野22〜3、田中ハタチ前後くらいの気持ちで観てる。プラスアクトかなんかに、「2〜30代を演じる」って書いてあった気がする。人からもらった優しさを、優しさだけを他の人にちゃんと返していける田中……母からもらったハーモニカだけを、母から捨てられたと言う仕打ちは忘れて、息子に伝えてやろうとする田中……。矢野の苦悩も、桜庭の絶望も、わからんなりに受け入れて、力になろうとするのも、田中はええ子や……何も持ってないけど、優しい心を持ったええ子や……(ばーちゃんか)。田中が明るく語ろうと、母親には捨てられたんだし、結婚するのに戸籍取り寄せたから居所割れて召集されたんだし、聞いてる方はわかって聞いてるから、あの辺の小宮とかほんとたまんない。残りの3人は、そういう子どもがいることをそれなりに目の当たりにして生きてるんだろうし、実際、小宮以外は、田中と同じ街で暮らしてるくらいなので、エリートの小宮がすごくショックを受ける。田中が、水島にもらった水に言うちょっとへんてこなお礼も、あの子が持ってる語彙の全てを動員して言ってんだよなあ。ええ子や、田中はええ子や。田中が好きなので太郎も好きだよ。抱き着いてきた桜庭じーさんに戸惑いつつも、抱きしめ返すか悩んでる手がかわいいよ。田中の息子、よく聞いたら、田中がなんでずっと下手なハーモニカ吹いてたかたぶん知らないので、桜庭が話してやれるというのもやっと気づいた。田中の息子、見るからに、きちんとした職についてそうなので、サチコはよくやった……田中がいなくても、太郎を立派に育てた……。田中が元いた竹田浜の歩兵ちゃんたちも好き。このひとたちも概念としての子供。前記事にも書いた気がする兵長は、死に際のセリフが、おっかあ→かあさんに変更になってる気がする。

兵長が、母への思いを口にして死んだことは、田中は知っていて、もし田中が桜庭のように生き延びていれば、継いで行くことができた思いなんだよな。でも、田中も死んで、途切れてしまう。簡単に途切れてしまうからこそ、途切れず継いでいきたいっつーのが、テーマのひとつなんだろうなあ。竹田浜からの小宮への無線が田中だったことも、「誰も知らない」のひとつとして積み上がっている。誰も知らないことが、なかったことではなく、情感として積み上がってって、最後の桜庭じーさんの独白を重くする。山下のことだって、もう誰も知らないんだぜ……。桜庭じーさんは、水島の娘に会うけど、娘が大切な思い出にしてる、桜庭の散髪の腕前を知らないので話してやれない、でも逆に娘から聞くことができるはず。継がれていく何か。

ものすごい真剣に見てるんですけど、山下から田中に担降りしたら、元気にはつらつと戦い、なんならわりと強い矢野見ると、担当って大事だな……という、わけのわからない感想がちょっと湧く。わたし、田中担なので、同担だからわかるよ矢野ちゃん! あれは生きる強さをくれる担当だよ!! 乱戦でいちばん撃破数多いの、矢野じゃないのかなあ水島は桜庭に弱くて、桜庭は矢野に弱くて、矢野は田中に弱くて、小宮は全員に弱いの、なんというかチームナックス。水島、誰にも強くないけど、全員に勝ってるしな。概念の話です。ふんわりお読みください。

終盤の歌が流れる戦闘シーン、わたしもうとにかく歌に弱いので、ずっとえんえん泣いてて、ようやくなにが起こってるのかを把握し始めたんですが、めっちゃドラマ起こってんな。全員に「伏せろー!」って叫んで、みんなを助けたやつは、めちゃめちゃに撃たれるとか、小宮が助けようとする兵士はさっさと死ぬとか、水島がは助からなかった兵士に頬ずりして泣いてる。東京でやっと5人をひとりずつ追い始めたんだけど、みんなわりとはっきり重症負うなあ。負傷した兵士の手当てするけど、そいつ死ぬし、他にも多数が目の前でぼろぼろ死んでくのに耐えられなくて、自決考えるけど死ねない小宮しんどい。でも、戦車の上で撃たれた桜庭のこと助けるのも小宮。撃たれた桜庭見て狼狽えてるのは水島。桜庭もなんか言い返してるな。田中撃たれた時に、「田中ー!!!」って水島駆け寄ってるし、どれを取ってもたまらんのだけどな……。お席によっては、セリフぜんぜん聞こえないし、目は足りないし、あそこもう、マルチアングルでDVDくれ。まじで。

あとなんかまとめきれなかったことを、メモから抜粋。

  • 洋ちゃんのヒゲは相変わらずないし、安田さんも髪切ってて、どんどん小綺麗になる軍人の皆さん
  • カテコが始まった段階で、元気なチームナックス見て、生きててよかったと泣いてるわたしだが、元気なゾンビ山下くん見るのも楽しくなってきた
  • 普通の人なので、唯一同じ目線に立てる登場人物、厚生省のやまむらさん。あの人が冷たく描かれるのが、とても心をえぐるが、意図的にやってるよなあ、あれ。関心のないわたしを責めている。
  • けっこう余裕出てきたので、ずっとじっくり見たかった、矢野に拳銃向けてる小宮の顔ガン見してまんぷく。リーダーのああいう顔好き……。
  • 水島軍曹チームの酒盛りの背後で、他のグループも酒盛りしてるのだが、あそこ、ひとり(たぶんその前に自決しようとしてたやつ)をめっちゃ励ましてて、それにはずっと気づいてたが、結局慰められてたやつはなんとなくぼっちで飲んでるの、未だにストーリーが見えない。何が起こってるんだ、あっちw
  • 初日から思ってるが、小宮少尉の3人の兄もみんな海軍って、きっとみんな小宮少尉と同じ顔だし、リーダー海軍のカッコ似合うだろうなあ……結婚しよ…
  • 桜庭の胸ポッケのお花は、桜庭の家族に見立てられてることにも、いまごろ気づいて……わたしほんと泣いてるだけで、ろくに内容咀嚼してない
  • 水島が一旦機能停止するほどの桜庭の告白聞いてる間ずっと、桜庭にガダルカナルの幽霊見えるか聞きたくて待ってる矢野は、わりとハート強い
  • 混乱してる矢野の帽子とって、水島がなでなでしてあげるのが好物すぎて、毎回双眼鏡。矢野も子供(概念)
  • ほんとにどうでもいいけど、車椅子から立ち上がった桜庭が、照明で服の中身スッケスケになってんの、いつもちょっと気になる。細いなあ。
  • 22日夜かな、序盤、桜庭に言われて歌う女子たちの声が、シュムシュの水島たちに届くとこ、水島ポロポロ泣いてて、やーだーーーーー!好ーきーーーー!!!