かくれが

とあるスマオタの備忘録

TEAM NACS 第15回公演「悪童」 盛岡・名古屋

うっかりしてたらもう東京公演がはじまってしまうので、慌てて遠征分の感想。盛岡7/25、26昼、夜、名古屋8/8昼、8/9昼。このへん、チケット買いやすかったんですよねー。抽選先行もばんばん取れるし、先着先行もあったりして。さらに、名古屋の会場はぜったい当日券いっぱい出るやつやで! って言ってたら、やっぱりいっぱい出てたり。日本一チケットが取りづらいとか言われてるけど、正しくは東京公演のチケットが取りづらい。だったらわたしはもう他の土地に観に行っちゃえばいいや! って思って、行っちゃうんですけども、ナックスさんたちが「地方のひとにも観てもらいやすいように各地に行きたい」というようなことをおっしゃってるのを聞くと、なんとも言えない矛盾を感じる。まあ、今にはじまったことではないので、お席のあるとこに行きますとも。

しかしですね、名古屋。名古屋市公会堂という会場。3階席、2階席で観たんですが、3階席の見えなさびっくりしたw たぶん、2階もたいがいだったと思うんですが、3階がすごかったので、まああれよりマシだし。くらいの感じにwww わたしがこれ1回きりの観劇だったら、すっごいがっかりすると思うなあ。面積で言って、舞台の3〜4割は見えてないので、途中退屈して、眠気に襲われてしまった。さすがになあ。チケ代、あと数千円上がったってかまわないので、観やすい劇場使ってほしいなあ。今回、演劇用の会場、あんまりないですよね。


でも、名古屋市公会堂って、鶴舞公園なんですよ! 「安田顕ひとり語り2014」に出てくる、数少ない足を運べる具体的な地名ですw すげえ楽しかった……ちょう暑かったけど……。大須観音は、過去に何度か行ったことがあるので、スルーしてしまったくらい暑かったw その、去年の語りでも行った盛岡では、去年行きそびれた場所観光してきたりして、楽しかったなー。そして、いっぱい食べた!ww

以下、ネタバレしてる感想。前記事前提の感じです。
”物語は自分を映す鏡だと思いますが、わたしの姿はまだ映るタイミングじゃなかったかもしれない”って、前回の感想に書いたんですが、2回め以降映る映る。というか、そういうことを考える余裕が出てくるんだなあ。やっぱこの芝居、回数重ねると、考えることが減るんだよな。減って、ようやく見えてくるものがあるんだけど、そう思うと、リピ必須という鬼仕様。いや、そんな気はしてたので、あらかじめ遠征してでも、回数確保してあるんですけど。そのためなんでしょうなあ、ライブビューイングの一般発売が遅いの。初日ほんと、ない頭をフル回転してたし、3回目くらいからかなー、ようやく各人の心情とかに気が行くようになって。

でも、初日のあのフル回転観劇こそが、醍醐味だとは思う。そして、回数重ねてから見たくなる箇所が、DVDやらライビュには入らなさそうなのがまた……。便宜上「本筋」という言葉を、「作り手の意図」みたいな意味で使うけど、散らばる5人のうち、誰を見てるのが本筋かってのが、ライビュのカット割で答え合わせになりそうなのですごい楽しみ。ほんとはそうやってライビュ観て以降に、もう一度観劇したい。

この芝居、とにかく本筋に関係ないことが、てんこもりなのだ。序盤からピックアップすると、チャックのワイヤー登場と、ビーフジャーキーとか。ワイヤーアクションは「強い男」になったってことなんかなー。それより、「オープニングは派手に」が強いかなw ビーフジャーキーをウエストポーチに吐き捨てるのが、なんかしら意味のある行動なのかと思って注視してたので、中盤に巻くんがウエストポーチ開けた時、びっくりしたんよ……神経質で綺麗好きっぽいことするのに、アタマにチャックがビーフジャーキー吐き出したウエストポーチは、平気で開けて、コエンザイムQ10を取り出す巻に、めっちゃ迷った。そうやって、細かくあげてくとキリないけど、それが積もり積もって、情報の処理量が多くて、しかも要不要が観てる間に取捨選択できないので、初回がすんごい必死の観劇になってしまうんだけど、2回目、3回目くらいからようやく、西くんとかチャックの言葉、響いてくるなあ。複数公演チケット持ってるわたしが、複数観劇を推奨するのって、なんかアントワネットだとは思うのだが、わたしはこれでも、何回か観なきゃいけない芝居は、あまり褒められないと思っているのだ……でもチームナックス何回か観ないとならない芝居多い。そーゆー意味でも、ほんと、ナックスらしいのだ、悪童。すごく。ほんと、不思議なもんだなあ。

おかげで盛岡では、西くんとチャックのやりとりに、とてもじーんとしたよ。チャックが、言葉出なくて、わーっ!!!ってなるのとか、ほんといいよな……。なんかのインタ(例によって雑誌は買うときにぱらっと見る程度で積んでるので、どれに書いてあったかよく覚えてないけど、たぶん各誌共通で載ってる部分だったように思う)で、音尾くんが脚本読んで泣いたって言ってるのを、???って、初日は思ったんですけど、西くんの「死にたくない」でそりゃ毎回泣く……なんでこれに心揺さぶられなかったのか、不思議なくらいなんですよねえ。もったいない。知ってた速報すぎるが、音尾くんはすごい。西くんをノーマークであそこまで辿り着いても、初見じゃないからこそわかる西くんの心情を追って観ても、すっげえ響く「死にたくない」。西くんとチャックだけは、今も付き合いがあるわけだけど、チャックの冒頭の「君たちだけが友達なんだ!」は、言い換えれば西くんだけが友達なんだな……そして、西くんはたぶんそんなこと思ってないので、チャックがいきなり自分のために人生かけてきたので、びっくりしたのが、今回の一件よねw また、西くんにとっても、自分たちだけが友達なんじゃないかっていうチャックの思い込みというか、願望なのかなあ、そんなのを確認したくもなって、観れば観た分、次も観たいところが増える鬼仕様。とにかく鬼。

西くんかわいい。キャラ萌え的なとこにもようやく気がいくようになりましたが、西くんかわいいbotで、ガチ恋枠エロッチ、次点で巻くんだな……。あれがガチ恋枠なの、むっちゃやばいと思うんですけど、父を亡くしてから、自分がくっそファザコンだという自覚というか、開き直りができまして(笑)。夢破れたまま、残りの人生ただ生きて死んでった父のこと思い出すから、エロッチがめっちゃ好きなんだろうなあ。成功夢見て、俺は勝者だと意地を捨てきれなかった、巻くんみたいなひとだったんですけども、エロッチのほうが父を思い出す。というか、あのふたり、そこ似てるんですよね、たぶん。エロッチは巻を「折れると脆い」って笑うけど、エロッチの方はとっくに折れたあとで、折れてるのに死ねないから、簡単に死のうとする巻が腹立たしいという。そら、おたがい嫌いだろうなあ。似てるから、おたがいに嫌いで、でも気は合うっぽいのがおもしろい。気が合うっていうのかなあ、あれ……外の警官を、かもた*1に似てるって言い出したあと、おたがい何を言うでもなく、エア殺人つって暴れまわるの、ほんとこわい。巻くんは途中で振り落とされちゃうの、テンション的にエロッチについていけないんかと思ったら、あれ体力ないからなんだと気づくのにも、何公演かかかってしまったw チャックや他の人に嫌われてる素振り見せられると落ち込むのに、エロッチには何言われてもどうってことない巻くんもおもしろい。こうやって細かいとこ見てくとキリがないんだよなー、楽しいなー。東京でどれだけ見ておけるだろう、そして映像には何が残るんだろう。

自分の中で、筋書きが整理されてくると、ひっかかることも増える。エロッチがカツアゲしてたことを、西くんと紺ちゃんは気づいてた。チャックが上履き隠してたのを、エロッチと巻は気づいてた。巻のゴミクズは、西くんが気づいてて、シゴキはたぶん全員でやってる。……ので、やっぱ「とん平はいじめられて当然」って共通認識は、全員にあるんだよなあ。ちょっともやっとが残る。もうちょいこのへんのもやっと感を、ストーリーでねじ伏せられたい。わたしの感情的なものだと、シゴキに関しては、最後の西くんへのシゴキのシーンで、わりと解消できる。カツアゲは、説得力薄いと思いつつも、まあそうかもねくらいの。上履き隠しはチャックが自分に悪意あったことを言い切っちゃうのでぜんぜんもやっとする。ゴミクズもだめだ。ゴミクズは、なんかもうちょい「悪口ギリギリ」として納得できる言葉なかったんかなあ。巻と紺ちゃんと西くんは無意識にとん平をいじめて、エロッチは結果的にいじめてたって言うわけだけど、チャックだけは明確に自分に悪意があったことを言い切っちゃうことについても、わりと考え込む。各人のとん平のイメージにズレがある、いろんな表情を持った人間であることが、とん平が後に俳優として大成することへの伏線になってるのかなー。イメージに幅があるどころか、手紙は複数人格みたくなってるんだもんな。相手によって、違うエチュード楽しんじゃう人。あとあと気づいておもしろいなーと思ったの、エロッチの絵に対して、自分からお金を払おうとするの、優れた芸術には対価を支払うべきだという考え方を持ってるってことよね。そういうひとが、渡米してエンターティナーになってるっていうの、すごくおもしろい。ただ、ホームレスの振りしてるの、西くんに見つかったあと、「脅かしてめんごめんご! 実は俺いま俳優やってて、こういう映画に出たんだ!!」って、あとからでも知らせてあげてほしいよね!!w

わたしはとにかく、警察に囲まれて立てこもる下荒井と、病気をタテに昔の仲間を集めるN43のブルブルズを思い出すんですが、river思い出すってともだちの意見も、まあわかる。ブルブルズを見なおしてみたんですが、パラレルワールド感がすごいwww N43がわたしのナックス初現場ですけども、ブルブルズ観たときの、「あ、なんとなく病気治っちゃうんだ!?」ってのが、私のチームナックス観に対して、とても大きいんだということを、悪童のおかげですごく感じる。病気は治っちゃうし、兄貴は逃げおおせるし、いじめられてるとん平なんていない! 下荒井にブルブルズって、つまり大泉さん作なんですけど、大泉さんは「みんなの好きなチームナックス」を見せようとしてるひとなので、外部作家の作演が、それに近いもの出てくるってのは、当然といえば当然なのかなあ。そういえば、わたし、下荒井のときも、他の作品を思い出すって感想書いてるんですよねえ。そこも下荒井みたいでおもしろい。

他メモ。

  • 「まきまき」なんて言われたら怒るのは、まきまき=うんこを指すから……なのかな? かわいい感じだから怒ってんのかと思ってた。ミサミサデスノ)みたいな。まきまきうんこについてすごく調べてしまったが、アニメのアラレちゃん(81〜86年)で流行ってるので、そりゃ竜宮の巻貝はうんこだし、巻のあだ名はまきまきになりそうで、呼んだら怒りそうだよなあ。
  • ついでに、代表的なマッキーって、槇原敬之さんだと思うんですけど、ブレイクが91年なので、劇中の中学三年生時(推定1988年)にはまだだなあ。そのころの代表的マッキーは、油性ペンかな……。
  • エロッチのセリフに出てくる、「ストリートファイター」は、87年から稼働。「麻雀学園」が88年。このころのアーケードゲームって、いまよりはるかに稼働時間長いと思うんだよなー。ストリートファイターは、流行したIIじゃなくて、初代。ゲーセンはまだリズムゲームもプリクラもなくて、不良のたまり場っぽい感じが強いのかなー。
  • そういえば、ドラクエ全盛期じゃないかと思うんですけど、家庭用ゲーム機の話出てこないね。ベータのビデオデッキは出てくるのに。
  • 単純に、めっちゃ当たり前なのだが、ナックス兄さんたちの年齢に合わせてあるから、おなーの子世代のひとたちとは、同世代なんだなーと思ったり。
  • 「とん平の酒びたり人生」 http://www.uta-net.com/song/34797/
  • 客入れの曲がぜんぜん覚えていられません。すたんどばいみーとかあったような気がしなくもない。
  • 今回、サントラの予定ありませんけど、ぽんっと出るのかしら、出ないのかしら

さて、最後の公演地です。東京です。先日、別現場で行ったEXシアターの小ささにびっくりした。客席が少ないことへの不満はおいといて(なくなったわけではない!w)、各地各地やたらでかいステージで観ていたあれが、あの大きさにおさまってるのを見るのが、とりあえず楽しみです。

続きます→ TEAM NACS 第15回公演「悪童」 東京前半 - かくれが

*1:漢字表記わからないので、ひらがなにしておくけど、ちょっと間が抜けて見えるw